富岡『世界』を読む会・3月例会の報告
富岡『世界』を読む会・3月例会は、3月26日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、6人の参加で開催された。テーマは『世界』3月号から、特集Ⅰ日本経済の実像 ①井出英策『積極財政 ポピュリズムの結集点』、②中園善行『消費増税の裏にある「インフレ増税」の罠』の2稿、および③高村ゆかり×江守正多対談『気候再生のために『「1.5℃」を超えた世界で、私たちはどう生きるか』 だった。
Ⅰ.特集Ⅰ日本経済の実像
全政党がインフレ下の積極財政という矛盾した政策パッケージに傾き、消費税減税を打ち出していることに対し、井出は「政策における全体主義化」と指摘し、そのうえ「消費税減税が消費額の多い富裕層に有利に働く」として消費税減税に反対する。これに対して、富裕層や大企業に適切な課税強化をすれば、減税の財源は確保できるとして、異論が出された。しかし、この財源論の実現性について疑問が出される一方、未来の世代に巨額な借金(財政赤字)を残すべきではないとして、消費税減税反対論が提起された。
世界恐慌期におけるポピュリズムと積極財政が、日本やドイツにおいてファッシズムへの道を切り開いたとの指摘は、現在の日本の政治との類似性を想像し、ショックを受けたとの感想が出された。
中園も同様に、消費税減税の恩恵を受けるのは、経営者や資本家だと指摘する。政治が「生活者のため」と称して繰り出す減税策が、多数を苦しめ、資本家だけを潤すだけで終わるのであれば、責任ある政策運営とはほど遠い、との指摘は重い。中園の指摘する「インフレ増税」・「K字」経済は初めて知り、納得感を得たとの感想が出された。
Ⅱ.気候再生のために
社会全体が近視眼的なポピュリズムに流されるなかで、長期的視点が必要とされる気候変動問題への関心が薄くなっていることに危機感をもつ。トランプのアメリカに振り回され、戦争とエネルギー危機のなか、石油・石炭・原発への回帰が進んでいる。対談者のいう「今ここ」のみでなく、「遠い他者」(途上国の人び と・将来の世代)に思いを寄せるべきだとの指摘をかみしめる。
ⅲ.4月例会の予定
1.日程等:4月16日(木)14.00-16.00時、吉井町西部コミュニティセンター学習室(2F)
2.テーマ:『世界』4月号から
(1)ICE関連 ①メイン 村田勝幸『ICE 暴力の根源』」
②サブ 望月優大『アジアとアメリカの間 第15回アイスは溶かせるか』 ③ブレディ・ミカコ『イミン、イミグレ、イミグランツ 第4回みんなゲームの駒なのだ ④若林恵『午前一時のメディアタイムズ 第13回 聖域都市の闇』
(2)日本の外国人問題 ①メイン:樋口直人・稲葉菜々子・高谷 幸『「外国人問題」という虚構』
②サブ:山下泰幸『イスラモフォビアの新段階—日本のイスラム教徒排斥』
以上
« 富岡『世界』を読む会・2月例会の報告 | トップページ | 富岡『世界』を読む会・4月例会の報告 »

コメント