富岡『世界』を読む会・4月例会の報告
富岡『世界』を読む会・4月例会は、4月16日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、6人の参加で開催された。テーマは『世界』4月号から
1.米国の不法移民取り締まりにおけるICEの暴力に関する4稿(①村田勝幸『ICE暴力の根源 批判的人種理論から問う』②望月優大『アジアとアメリカの間 アイスは溶かせるか』③プレディみかこ『イミン,イミグレ,イミグランツ みんなゲームの駒なのだ』④若林恵『午前1時のメディアタイム 聖域都市の闇』)
2.日本の移民政策関連の2稿(①樋口直人・稲葉菜々子・高谷幸『「外国人問題」という虚構』、②山下泰幸『イスラモフォビアの新段階』)だった。
Ⅰ.ICE暴力について
村田は「ICE暴力の根源』に大統領次席補佐官スティーブン・ミラーの存在をあげる。トランプ政権の移民政策を統括し、高圧的で徹底的な暴力的排除を貫徹する。ミラーはトランプへの絶対的忠誠を誓うなか、政権内での影響力を拡大する。邪悪で愚昧で狡猾な超利己主義のトランプを支える人脈が、トランプのコピーのような人びとが群がっていることにあらためて驚く、との感想が出された。
ネオナチやKKKのスローガンを使ったICE職員のリクルートの実態に、参加者の関心が集まった。過剰なイデオロギーの持ち込みに対して、古くからのICE職員が危機感をもっているという(プレディみかこ)。また、アメリカ社会は、トランプ=ミラーたちの暴走に黙ってはいない。望月は全米各地で巻き起こった「ICE OUT」集会やプエルトルコ人ラッパーのバッド・バニーのグラミー賞スピーチを紹介する。「私たちは野蛮人ではない。動物でもないし、エイリアンでもない。私たちは人間だ。私たちはアメリカ人だ」。アメリカ社会の暴力の根源に、銃所持の自由があるとの指摘があり、銃規制の重要性が主張された。
若林の『聖域都市の闇』は、他の3稿がICE暴力を厳しく批判するのに対して、反トランプ派(聖域都市)の不都合な真実を暴き、どっちもどっちの景色を見せつけている。アメリカ社会の一筋縄でいかない分断と対立にうんざりするとの感想が出された。
Ⅱ.日本の移民政策の経過と現在地
日本の少子高齢化のもと財界や中小企業の要請を受けて、自民党は「静かな政治」(保守)から「声高の政治」(右派)を駆使して、とにもかくにも労働力確保を目的とした移民拡大政策を貫徹してきた(樋口等)。一方、中道左派は独自の移民政策を持たず政策論争の準備も能力もなかった、との指摘は重い。小熊英二の指摘(朝日記事)、「自民党はノンイデオロギー故に広い支持を集め、「この人たちがなにゆえに同じ政党にいるのか」というほど雑多で、右派も自由主義者も福祉志向の人たちもいた」と響き合う論考だ。
ⅲ.5月例会の案内
1.日程等:5月21日(木)14.00-16.00時、吉井コミュニティセンター2F学習室
2. テーマ:『世界』5月号から
1.イラン戦争関連論考(メイン①ヤコブ・ラブキン『イスラエルは何を手にするか』、サブ②座談会『非対称戦争で変貌する中東と世界』、サブ③寺島実郎『能力のレッスン286 イラン戦争』)
2.曺琴袖『切り抜き動画は膨張し、メディアは沈黙する』 以上

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