富岡『世界』を読む会・6月例会の報告
富岡『世界』を読む会・6月例会は、6月18日(木)14.00-16.00時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、7人の参加で開催された。全員が顔をそろえてのにぎやかな会だった。
テーマは世界6月号から、1.藤原帰一『世界戦争への道』、2.内田聖子『軍拡はAIからはじまる』、3.寺島実郎『能力のレッスン 21Cの日本の外交、最大の難問』の3稿だった。(寺島論考は時間切れ)
Ⅰ. イラン戦争関連
「イラン戦争はネタニエフの戦争だった」が、同時に間違いなくトランプとアメリカの戦争だった。戦略的深慮もなく「愚かな判断の誤りは、トランプでなければ考えることができない。・・・それは投機的で無責任な戦争であり、闘う必要のなかった戦争だった」と藤原は喝破した。同時に筆者は、戦場での戦闘の有利にもかかわらず戦争に敗北したベトナム戦争との類似性に言及し、アメリカの戦争史に通底する特徴を指摘する。
ベトナム戦争はじめ過去の戦争から教訓を得ることのないアメリカ、アメリカから一歩距離を置くNATO加盟のヨーロッパ諸国、「平和の使者ドナルド!」と飛び跳ねてトランプに寄り添う日本の首相、そして虎視眈々と世界情勢を凝視する習近平中国。今心配なのは、アメリカのMAGAの人たちだけではなく、足元の内閣支持率54%の日本人。
「予見可能性の低下は他の戦争の可能性を高め、国際関係を著しく不安定化し、ひいては世界戦争への道さえ開いてしまう」との指摘は極めて重い、との感想を述べあった。
Ⅱ.AI戦争の時代
「イランの前線にあるミサイルのうち今最も攻撃しやすいものを選んで」「装備は何を使えばいい?」。AIを相手に、迅速かつ簡便に軍事作戦の実行が現実となった(内田)。トランプに絶大な影響力を持つピーター・ティールが率いるパランティア・テクノロジーズ社開発の「メイブン・スマートシステム」は、「攻撃開始から24時間で2,000ヵ所を標的として抽出」した迅速性と、「簡単なPC操作で標的抽出、攻撃ターゲット指定、作戦の提示が可能となった」簡便性が特徴だ。「AI戦争の時代」の始まりに、参加者は一同に「恐怖を感じた」と述べあった。遠隔地にある作戦実行者の「人を殺す」という臨場感のなさ、戦闘模様をパブリック・ビューイングで観戦するという現実に。
内田は「誰がAI兵器に歯止めをかけるのか」と問い、アンソロビックの「自律型兵器への使用禁止」に言及する。そこで、Google検索「AIによる概要」で「アンソロビック新憲法」についてを学んだ。新憲法の価値優先順位は、①安全性、②倫理性、③アンソロピック・ガイドラインへの準拠、④実際に役立つこと、と4つの軸で整理されている。あくまでも「安全性」「倫理性」が上位で、「有益性」は最下位に置かれる。そして大切なのは、「なぜそうした価値が重要なのか」をAI自身に理解させることだ、という。イラン戦争の行方とともに、「AI戦争の時代」に目が離せない。
ⅲ.7月例会の予定
1.日程等:7月16日(木) 13.45~16.00時、吉井町西部コミュニティセンターにて(開始時間が15分早まります)
2.テーマ:Ⅰ.①寺島実郎稿『特別編 真の政治改革への道筋(前編) 代議制民主主義の成熟に向けて 』(3月号『能力のレッスン284)、②『同(中編) あるべき代議制民主主義と正しい「中道」への道標』(4月号『能力のレッスン 285』)、③『同(後編) 戦後民主主義の機能不全の本質と超克』(7月号 『能力のレッスン288』)、Ⅱ.①稲垣康介『きみはワールドカップを観に行くか』、②大井義洋『放映権の問題』。
3.追 記:①寺島論考は、『特別編 真の政治改革への道筋(前・中・後編)』に統一した。②例会の時間制限から、小笠原みどり『デジタル時代のスパイ拡大法』はテーマから外す。
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