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2026年7月17日 (金)

富岡『世界』を読む会・7月例会の報告

 富岡『世界』を読む会・7月例会が、7月16日(木)13.45-15.45時、高崎市吉井町西部コミュニティセンターにて、6人の参加で開催された。テーマは、Ⅰ.『世界』7月号 特集1 スポーツ覇権主義から①稲垣康介『きみはワールドカップを観に行くか』と②大井義洋『放映権の難問』、およびⅡ.寺島実郎『真の政治改革への道筋』前・中・後編(3、4、7月号)。

 Ⅰ.スポーツ覇権主義—FIFAワールドカップをめぐって―
 いよいよ決勝戦を直前にしたFIFAワールドカップ、世界中が高揚している。しかしそれは、「巨大資本と国家の思惑が激突する複雑なゲーム」へと変わってしまったと稲垣は指摘する。グローバル化にともなう巨額の放映権料化によるスポーツのビッグビジネス化と、全体主義国家の地政学的思惑(人権問題・独裁体制の隠蔽、国威発揚・国力アッピール)が優先される。そこではスポーツのもつ公共性(誰もが視聴できるユニバーサル・アクサス権)が阻害されている(大井)。
  渦中のテーマで、話題は多岐にわたり、熱を帯びた議論となった。
 W杯と私たちを結ぶ話題として、群馬県での卓球の普及活動を中心的に担ってきたHさんの報告があった。50年前には少数者による卓球愛好者のグルーブだったのが、現在では、群馬県全域から2000人の参加者を得るまでに成長した、と誇らしく話された。そしてこの発展のキーとして、大会では参加者全員が「ひとり5試合」することを保障する工夫をしてきた、という。ここには参加者全員が、平等にスポーツへの参加を可能とする知恵がある。スホーツ視聴へのユニバーサル・アクセス権と同等のスポーツの公共性の思想がある。

 Ⅱ.寺島実郎『真の政治改革への道筋』
  「解散強行」と「争点隠し」の衆院選について、寺島は「選挙の意味を毀損する民主主義の自殺行為」だと断じる。熟議の国会で「誰が正しい政策論を持っているか」と国民に選択肢を示して選挙に向かうところを、政権発足時の「支持率」に乗って解散に踏み切ったことは、代議制民主主義の「未熟性」を示した。「誰が勝てば株価が上がるか」という近視眼的利害での投票行動を誘導した、と手厳しい。ではなぜ議会は未熟なのか。日本の政治構造から解明している。
 上部構造(政党・政治家)の質的劣化。政治家の戦場は、議会ではなく選挙にこそあるとうそぶく政治家に、もとより国家百年の計を語る能力はなく、またその多くが
世襲政治家という。「選挙にしか関心を持たない上部構造が思い至るのは、「票につながる政治」つまりバラマキとオネダリのポピュリズム政治」だと喝破する。
 では下部構造の国民は、どのように変容してきたのか。戦後、国民の中核主体が「地方の青壮年農業者」から「都市の第2,3次産業サラリーマン、労組組合員」からなる都市中間層を経て現在、金融・サービス業主体の第3次産業に従事する大都市圏の新中間層へと推移してきた。その新中間層は、階級意識は希薄化し金融資産保持衝動を高め、円安・株高を誘惑する積極財政を掲げる自民党へ投票する。先の衆院選の総括である。
 「読む会」では前・中・後編の寺島の論考を、以上のように論点を整理し理解に努めた。
 寺島については、本論考では触れていないが、彼が日ごろ主張している「議員定数の削減」について、異論が出された。質の劣化した政治家は不要との気持ちは共有するとしても、マイノリティ排除の可能性がある定数削減は、やはり認められない、と主張された。

 ⅲ.8月例会の予定
1.日程等:8月20日(木)13.30-15.30時、吉井町西部コミュニティセンター学習室(2F)にて
2.テーマ:『世界』8月号から(1)天皇・天皇制関連3稿 ①井上 亮『終わらない家父長制、象徴天皇消滅の危機』、②上野千鶴子『わたしが女性天皇を歓迎しないこれだけの理由』、③寺島実郎『2045年からの視座』p145-147部分)、および(2)菅谷麻衣『国旗の「意味をめぐる闘い」―米憲法論争から考える』。
 
追記:8月例会から、時間帯が「13.30-15.30時」に変更となっています。    以上

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